予防
感染症はわんちゃん、ねこちゃんにとって時に命を脅かすこともある怖い病気です。中には人へも感染するものもあります。予防できるものはしっかりと対策をとって大事な家族を守ってあげましょう。
ワクチン接種時のおねがい
ワクチン接種後に体調を崩してしまった場合に病院が開いている時間に対処ができるよう午前中の接種をお勧めします(午後でもご相談の上で接種は可能です)。
ワクチン接種は健康状態が良好な時に行います。もし体調に気になる点があったり、病気の治療中の時はご相談ください。
接種した当日は散歩を控えて安静にしてください。またシャンプーやトリミングは接種後3日程あけてください。
ワクチン接種
狂犬病ワクチン
狂犬病予防法により生後91日の全ての犬に年1回のワクチン接種が義務付けられています。必ず打つようにしましょう。
当院での接種後は、同時に厚木市への登録や鑑札の交付もその場で行えます。
混合ワクチン
外に出たりや感染動物との接触などで病原体に感染するリスクが日常生活には潜んでいます。また室内飼育でもお家の中に人間が持ち込んだ病原体に感染してしまうこともあります。混合ワクチン接種は任意ではありますが、わんちゃん・ねこちゃんの健康を守るために接種することを強くお勧めします。
混合ワクチンの種類(犬)
5種 | 7種 | 主な症状 | |
---|---|---|---|
犬ジステンパー | 〇 | 〇 | 発熱 鼻汁 目ヤニ 下痢 嘔吐 けいれん 死亡率が高い |
犬パルボウイルス | 〇 | 〇 | 激しい下痢 嘔吐 脱水 衰弱 感染力・死亡率が高い(特に仔犬) |
アデノウイルスⅠ型 (犬伝染性肝炎) | 〇 | 〇 | 発熱 下痢 嘔吐 目の白濁 肝炎 |
アデノウイルスⅡ型 (犬伝染性咽頭気管炎) | 〇 | 〇 | 発熱 咳 くしゃみ 鼻汁 肺炎 |
犬パラインフルエンザ | 〇 | 〇 | 発熱 咳 くしゃみ 鼻汁 感染力が高い |
犬コロナウイルス | 〇 | 〇 | 胃腸炎 下痢 嘔吐 |
犬レプトスピラ カニコーラ | - | 〇 | 発熱 黄疸 舌の壊死 腎不全 肝不全 ネズミなどの尿や、その尿に汚染された水や土から感染 死亡率が高い、人にも感染する |
犬レプトスピラ イクテロヘモラジー | - | 〇 |
混合ワクチンの種類(猫)
3種 | 5種 | 主な症状 | |
---|---|---|---|
猫カリシウイルス | 〇 | 〇 | 発熱 くしゃみ 鼻汁 口内炎 舌の潰瘍 |
猫ヘルペスウイルス (猫伝染性鼻気管炎) | 〇 | 〇 | 発熱 くしゃみ 鼻汁 咳 結膜炎 |
猫パルボウイルス (猫汎血球減少症) | 〇 | 〇 | 発熱 下痢 嘔吐 脱水 衰弱 死亡率が高い(特に仔猫) |
猫クラミジア | - | 〇 | くしゃみ 鼻汁 咳 結膜炎 |
猫白血病ウイルス | - | 〇 | 発熱 貧血 免疫力低下 リンパ腫 持続感染すると死亡率が高い |
混合ワクチンの種類と接種間隔について
仔犬は免疫をつくるために初年度2~3回、仔猫は2回接種が必要で、その後のワクチンの種類や接種間隔は生活環境などによって異なります。近年、混合ワクチンを毎年打つことの是非が問われています。当院では「ワクチン抗体価検査」を利用し、ガイドラインに沿ったオーダーメイドの接種を行うことに取り組んでいます。ご興味のある方はご相談ください。
フィラリア
フィラリアは蚊を介して心臓や肺に寄生することで心不全や呼吸不全のほか、全身にも悪い影響を引き起こす命に関わる恐ろしい病気です。しっかりと予防すればほぼ100%防げる病気です。
予防期間は蚊が出始めてから1カ月後と、蚊が出なくなってから1カ月後です。最近は温暖化により蚊が出る時期が早まっており、関東では4月から12月の予防をお勧めしています。
お薬には様々なタイプがあり、投与しやすいものをお選びいただけます。ノミ・ダニ・寄生虫予防を同時に行えるオールインタイプもあります。
予防は検査をしてから
フィラリア検査といっしょに健康診断もしましょう
フィラリアの予防薬を飲ませる前にフィラリアに感染していないことを血液検査で確認する必要があります。またその時に採取する血液で一緒に健康診断も行えます。定期的な健康チェックにご利用ください。
ノミ・ダニ
ノミ・ダニは環境内に日常的に存在し、皮膚炎やアレルギーによる痒み以外にも他の病原体を媒介して様々な病気を引き起こします。
また人へも病気をうつすこともあり、特に最近ではマダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」による人の死亡例も出ています。
わんちゃん・ねこちゃんのためだけでなく、ご家族のためにもしっかり対処しましょう。
潰さないでね
見つけた時は?
潰してしまうと体内の成分が飛び散りノミ・ダニに寄生した病原体が人へ感染する危険があります。またダニは無理に引き剝がそうとすると、くちばしが皮膚に残って炎症が引かなくなることもあります。ノミ・ダニを見つけたら触らず病院へいらしてください。
通年の予防をお勧めします
ノミ・ダニは温かい時期だけでなく冬場も活動することがあるので1年を通して予防することが推奨されます。